ステージ4のガンが1ヶ月で治った話

ステージ4のガンが1ヶ月で治った話

タイトルが若干大げさですが、より多くの人の目に止まってもらいたいのであえて。
2018年は会社的にも個人的にも挑戦する年にしようと決めていたんですが、ちょっと違う方向で戦う感じになっていました。
簡潔に書くと悪性リンパ腫という血液のガンにかかりまして人生初の開腹手術と入院、抗がん剤の治療を受けました。
この記事を書いている現在は6クールの抗がん剤治療を終え、3週間後に検査をしてガンが消えていれば寛解という状況です。

■記事にしておこうと思った理由

普段は長文投稿などしない人間ですがブログに残しておこうと思った理由が2つ。
僕自身病名を聞いたときに色々調べた経験から、同じ診断を受けた人のポジティブな情報になればというのが1つ目。
隠していたわけではないのですが、基本聞かれた人にしか病気のことを話していないので新しく話す際に毎回同じ説明をするのが若干面倒になってきており、記事を読んでくれそうな親しい方には経緯などこのタイミングでオープンにしておこうという実務的な理由が2つ目です。

■経緯

G.W明けからお腹が痛かったんですが、ひどくなってきて寝られなくなったのが6月下旬。
色々な検査を経て7月下旬には人生初の開腹手術で組織を採って病理検査の結果、悪性リンパ腫であることが確定し8月はほとんど病院で過ごしました。
全身のリンパ節にガンはひろがっており、ステージは4。胃がんなどの固形がんなら末期がんと言われる進行度で、カルテにはすごい数の部位が書いてありました。
悪性リンパ腫は血液のガンなので手術で取り除くことが出来ず、CHOP療法という治療法を3週間毎に6回受けることに。
最初の1回は副作用がどの程度出るかわからないため入院し、問題なさそうなら退院し、残りは外来化学療法室という通院で良いということになりました。
幸いにも入院中に受けた抗がん剤が劇的に効き、ピンポン玉が入っているようだった首筋のしこりも、医療用麻薬を飲まないと寝られなかった腹痛も全くと言っていいほどなくなり3週間の入院生活のうち2週間は病院で寝泊まりする健康な人という感じでした。
体調不良を自覚してから3ヶ月。実際治療開始してからは1ヶ月で仕事にも復帰出来ました。いくつものラッキーと色んな人の助けがあってこそです。

取り乱すこともなく、子供の世話と入院のサポートをしてくれた妻や両親。
代表が不在の中、仕事を止めることなく円滑に進めてくれた社員のみんな。
医師の立場で病院のことを調べてくれたり、入院中も夫婦で様子を見に来てくれた高校の後輩。
鎌倉の仲間の皆さんにはお見舞いはもちろんお仕事のサポートをして頂いたり、「何でもするから治療に専念していいよ」と言ってもらえたのは本当に勇気づけられました。もし鎌倉にいなければ闘病しながら仕事のことも考えねばならず、ここまで劇的に回復できなかったかもしれません。鎌倉で会社をやっていて本当に良かった。
面白法人カヤックの柳澤さん、村式株式会社の住吉さんには2回人生を救って頂きました。
とても書ききれませんが、本当にありがとうございます。
ちゃんと治ったら改めてみなさんに個別にお礼をさせていただこうと思います。
またG.W以降しばらくは検査、入院などでバタバタしており連絡がつかないなどご迷惑をおかけした方もいらっしゃるかと思います。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。未だ僕からのレスがないなどの状況がございましたらご一報頂けますと助かります。

まさか30代でガンに罹るとは思わず、びっくりはしたんですがおかげさまで治る見通しが立っています。2人に1人はガンになる世の中らしいので早めに済ませたという考えでポジティブに生きていますが同世代の皆さん、特に経営者は健康診断とか後回しになりがちだと思うんですが受けたほうがいいです。
2018年もあと1ヶ月で終わってしまいますが、11月には新しい会社「株式会社M-box」も立ち上げました。
電子お薬手帳などをサービスとして提供するITベンチャーです。
病気前から設立に向けて動いていたのですが、自分が患者側になったことでより必要性と使命を感じています。
12月から、2019年も仕切り直してガンガン勝負していきます。
本当に元気ですので変わらず接していただけると嬉しいです。よろしくお願い致します!

株式会社Buddying 代表取締役 松本裕

以下は病気に関するメモです。冒頭書いたとおり同じ病気になった人向けに残しておきます。
抗癌剤治療と聞くと嘔吐を繰り返すイメージですが、近年は抗がん剤も進化しておりそういうケースは減っているようです。
もし同じ病気で診断を受けた方が見ていらっしゃいましたら、ステージ4でも早期に復帰出来た例があるとポジティブに見て頂ければと思います。
正確には3週後のPET検査の結果次第ではありますが。。

■正式な病名

ALK陽性未分化大細胞リンパ腫

悪性リンパ腫の中でも比較的治りやすい型だったのは幸運でした。

■主な自覚症状

初期:お腹の張り、便秘
治療開始直前:寝られないほどの腹痛、首筋のしこり、微熱

■手術以外に受けた検査

腹部エコー:妊婦さんが受けるあれです。これで腹部のリンパ節が腫れているのを見つけていただきました。
胃カメラ:悪性リンパ腫以外の可能性を考え受けました。気持ちいいものではないです。
大腸内視鏡:これもリンパ腫以外の可能性から。お尻からカメラ入れて空気入れます。気持ち悪いのと、検査当日に下剤を2リットル飲むのがつらいです。
骨髄穿刺:骨髄の細胞を腰骨から取ります。超痛い。腰痛をぐりぐり刺激されているような感じです。
PETCT:通常のCTより正確にがん細胞を見つけられるCT。検査前に専用の薬剤を注射して30分かけて撮影します。動けないのが地味に辛い。

■開腹手術について

これが一番きつかったです。へその上を縦に15センチほど切って腹部のリンパ節から組織を採取。術後2日はち○こに管も入っており、脚には血栓防止の器具が取り付けられていてベッドから動けず。検査のための手術なのでまだガンの痛みもあり、傷の痛みとダブルパンチで地獄の苦しみでした。

■抗がん剤治療について

僕が受けたのはCHOP療法という抗がん剤治療です。
3種類の抗癌剤を数時間掛けて点滴で投与し、1種類のステロイドを5日間朝昼10錠ずつ飲みます。抗がん剤で血液中の免疫細胞が減ってしまうので、それを増やす注射を点滴翌日に受けます。それを入院で1回、通院で5回。
通院での治療中もMacを持ち込んで仕事ができたので特に不便は感じず。
免疫機能が落ちるからということで生魚と生肉を基本食べない以外は食事制限もなく事前のイメージ程辛くはありませんでした。

■費用について

もうあんまり覚えてないですが、手術と入院が20万くらい。
抗がん剤投与の入院がまた20万くらい。
通院で受けたCHOP療法が1回1万5千円くらい。
免疫細胞を増やす注射が1回3万くらい。
医療費は収入によって月の自己負担額に上限がありますので、保険外の先進医療を受けたりしなければそこまで高額になることは少ないようです。
限度額適用認定証というのを取ることになるので、病気になったらとっておくことをおすすめします。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kokuho/20161006084948.html
※通院治療と入院治療は別カウントらしく、僕は上限に達したことはなかったです。

■副作用について

症状として出たのは
脱毛、吐き気と腹部不快感、手指のしびれ、軽い便秘、血管痛。

脱毛:1回目の抗がん剤投与から3週間ほどで抜け始めました。
抜け毛が増えた段階で潔くツルツルに剃ってしまったのでどのように進行したかは不明ですが、眉毛や他の体毛も大分薄くなりました。

吐き気:と腹部不快感:投与日の当日夜に少しある程度ですが、1週間ほどはあまり食欲がなくお腹が重い感じ。一回も吐くまでは至らず。

手指のしびれ:だんだん広がり、6回終わった今で第一関節くらいまでピリピリしてます。
指先の感覚が鈍く細かい作業がしづらいのと、キーボードが叩きづらい。

便秘:ステロイド服用中に少し。意識して水を多めに採ってましたのでそこまで気にならず。

血管痛:点滴を刺した腕が翌日まで筋肉痛の様に痛みました。血管の色も変わっています。

総じて4回目くらいから回を重ねるごとに蓄積していった感じがあるので、6回で終わって欲しいと切に願います。
よく言われる口内炎は1つもできませんでした。

医療は日々進歩しており、特に悪性リンパ腫の抗がん剤はドンドン新しいものが出てきているようです。もしご自身や大切な方が悪性リンパ腫と診断されたかたがいらっしゃいましたらどうか肩を落とさず、不安なことも医師に相談して前向きに治療されることをお勧め致します。
もし僕の経験がお役に立ちそうでしたら、知っている範囲でお話することは出来ますのでご連絡頂ければと思います。

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